2020.2.22 ブログ
[長くつ下のピッピの世界展]2/15(土)リンドグレーンの作品を数多く翻訳した石井登志子さんのギャラリートーク&サイン会、大盛況で終了しました!
みなさま、こんにちは!
今日で特別展「長くつ下のピッピの世界展」は、開催19日目を迎えています。
「新型コロナウイルス」の拡大が心配されますが、当展覧会は通常通り開催しております。
感染予防のため、スタッフはマスクを着用している場合があることをご了承ください。
さて、一昨日2月20日(木)付けの神戸新聞朝刊文化面の「青空主義」というコーナーに
当館の「長くつ下のピッピの世界展」と、
シネ・リーブル神戸で上映中の「リンドグレーン」のことが特集されました。
「世界一つよい女の子」ピッピの物語を生み出した作者リンドグレーンですが、
展覧会でも、映画でも、彼女自身の若い頃の時代の体験により培われた
しなやかで強くたくましいメッセージが紹介されています。
ちょうど1週間前、2月15日(土)にリンドグレーンの作品を数多く翻訳されている
児童文学翻訳家・石井登志子さんによるギャラリートーク&サイン会を開催し、2回とも大盛況で終了しました。
石井さんは、「長くつ下のピッピ」のお話はもちろん、さまざまなトピックを交えながらお話しくださいました。
リンドグレーンにもお会いになったことがあるそうです。
・リンドグレーンが作家デビューする前に付けていた日記を翻訳したが
一級の文学になっている。最初の男の子ラッセが勉強できなかった話なども出てくる。
「リンドグレーンの戦争日記 1939-1945」は約3年前に出版された。
6年間の戦争日記に、リンドグレーンの作家の資質が表れている。
・リンドグレーンの作品をもっとも楽しんだのは、子ども。
「ピッピ」は子どもに大人気で、世界中で子どもが支持した。
当時彼女は、最初の原稿を一流の出版社に持ち込んだけれど、「とても面白い」という評価はあったが原稿は返された。
その後コンテストに応募したのが、デビューのきっかけ。
・若き日の彼女、アストリッドはスカウトされた地元新聞社の編集長と恋に落ちて、19歳で子どもを産む。
周囲の冷たい目もあり、故郷からストックホルムへ出ていかざるを得なかった。
こんな自身の体験が、ピッピの物語の中にわからないように取り込まれている。
・枕に足を乗せる天衣無縫な女の子ピッピ。既成概念をぶち壊すピッピ。
こんなピッピの魅力は、スウェーデンの画家イングリッド・ヴァン・ニイマンの挿し絵の力も大きい。
世界で翻訳されているが、各国でもニイマンの絵を使っている本がたくさんある。
・2002年、スウェーデンで「アストリッド・リンドグレーン記念文学賞」が誕生した。
政府が作った児童文学に贈られる素晴らしい賞で、賞金は500万スウェーデン・クローナ。
日本円で7000万円にもなる栄誉。2005年には、日本人の新井良二さんが受賞している。
その後のサイン会も、小さな子どもたちからファミリー、シニアの女性まで、
本当に幅広い年齢のみなさまにご参加いただきました。
石井さんのサインは、スウェーデン語と日本語で。
温かなメッセージに、みなさんとても嬉しそうでした。
ギャラリートーク、そしてサイン会にご参加いただきました
みなさま、ありがとうございました。
●3月29日(日)まで開催中!
特別展「長くつ下のピッピの世界展~リンドグレーンが描く北欧の暮らしと子どもたち~」
休館日:月曜(2/24は開館)、2/25