2022.4.9 ライブラリー
【ライブラリー情報】4月の新着図書のお知らせです!
みなさま、こんにちは!
当館3階ライブラリーに、今月は15冊の新着図書が入りました!
ご来館の折には、ぜひお手に取ってご覧ください。
詳細は下記リンクよりご覧ください。
4月新着図書リスト
今月もライブラリースタッフが新着図書の中から7冊ピックアップしてご紹介します!
※( )内は資料請求記号
■カラーバイブル: 世界のアート&デザインに学ぶ色彩の歴史と実例100(3501/KAR)
定番の色、珍しい色、時代の先端を行く色。 100種類もの色彩の世界を案内するガイドブック。
例えば、(ローズ)のページ。ホメロスの「オデュッセイア」の夜明けの光、
ラファエロの聖母マリアと幼子キリスト、陶磁器セーブルのcollection「ローズ・ポンパドゥール」、
映画「華麗なるギャツビー」からレオナルド・ディカプリオのローズピンクのスリーピース。
そして、Covid-19によるパンデミック下のロンドンでローズインクを主役にした
広告掲示板〈COMMUNITY IS KINDNESS〉と続き、(ローズ)のイメージは広がります。
1人1人がデザイナーにもなるSNS全盛期の現代社会。アーティスト、デザイナー、クリエイター、
そして仕事、趣味で色をあつかうすべての人に、様々な角度からの解説は、
スマートでサスティナブルな色の使い方のヒントを与えてくれるはず。
新着本『世界の配色見本帳: 伝統的なテキスタイルの色使いから学ぶ』(3501/SEK)、
『色の名前事典507』(3501/IRO)もあわせて、インスピレーションに満ちた色彩の世界をお楽しみください。
■佐藤 可士和展(3623/SAT)
国立新美術館編集の「佐藤可士和展」公式図録。
ユニクロ・T-ポイント・セブンプレミアムなど、見慣れたロゴ、
最新のアートワークについての解説は明快でデザインに惹きつけられるヒントが見えてくるようです。
東海大学教授・加島卓氏による論文は佐藤がデザインに至る過程について、様々な角度から述べられており、
アーティスト・村上隆氏と佐藤可士和との対談も読みごたえあり。
佐藤可士和の約30年の活動を丸ごと見渡せる一冊といえます。
■TOKYO POPから始まる|日本現代美術1996-2021(3413/TOK)
世界中に238万人のインスタグラムフォロワーを持つ村上隆や、
60万人以上のフォロワーを持つ奈良美智。そしてツイッターフォロワー9万人の会田誠など、
彼らは「戦略的」にSNSを駆使して、世界的に活躍している日本の現代アーティストです。
そんな彼らの活躍の原点だと言えるのが、1996年に開催された『TOKYO POP』展です。
この本は『TOKYO POP』展をキュレーションした学芸員・美術評論家の小松崎拓男による、
日本と東アジアの現代美術、メディアアートに関する論文集です。
現代アートやキュレーションに興味のある方はもちろん、アニメ、マスコミ、サブカルチャーに
興味のある方にも読みごたえのある一冊となっています。
当館所蔵の村上隆『芸術起業論』『芸術闘争論』(3404/GEI)とあわせてぜひ。
■REBEL STYLIST (0407/REB)
雑誌VOGUEやi-Dで活躍したスタイリスト、「キャロライン・ベイカー」の作品集。
キャロライン・ベイカーは現代のストリートファッションのベースを作ったとされ、
デザイナーやクリエイターたちにも大きな影響を与えたスタイリストでした。
この本にはパンクロック、スポーツなどに分類された、
キャロライン・ベイカーの「作品」ともいえるファッション写真がたっぷりと掲載されています。
なかにはヘルムート・ニュートン、サラ・ムーンらの有名写真家たちによるものも。
それらには今見ても、時代を感じさせない新鮮さと新しさがあり、
日本のスタイリストたちにも多くの影響を与えていたことがわかります。
ヴィヴィアン・ウエストウッドや、キャサリン・ハムネットによる寄稿文も。
■奇想のモード 装うことへの狂気、またはシュルレアリスム (3420/KIS)
東京都庭園美術館にて4月10日まで開催の『奇想のモード 装うことへの狂気、またはシュルレアリスム』展の図録。
1930年代、『ヴォーグ』の表紙をサルヴァドール・ダリやジョルジョ・デ・キリコが飾っていた時代、
シュルレアリスムは奇抜なだけではなくおしゃれで、モードとも相性抜群で、ファッション界と密接な関係にありました。
現代の倫理ではファーを扱うファッションは批判されがちですが、昔は人毛で編まれたアクセサリーや、
雷鳥の足の先をお守りにして身につけるなど、生物とファッションを融合させていました。
ダリと親交のあったエルザ・スキャパレッリのドレス、マルタン・マルジェラのトルソー型ジャケットや、
永澤陽一の本物の馬の革を使った履くことが不可能な乗馬用パンツといった当館所蔵作品も掲載されています。
現実の理性を超越(シュール)してぶっ飛んだモードの熱気が伝わってきます。
■奥山由之写真集 Best Before (3007/OKU)
デビューから12年を迎えた写真家・映像監督の奥山由之が、
アーティスト写真・広告写真といったクライアントワークに絞ってまとめた写真集。
『BEST BEFORE』(=賞味期限)という逆説的なタイトルには、
クライアントワークは、創作物や被写体をベストなタイミングで人に伝える目的があり、
写真にはそれを伝えるという機能を最大限に発揮するタイミングがあるという思いが込められています。
クライアントやアーティストとは徹底的にコミュニケーションを重ね、
ベストを尽くすために企画ごとに手法を変えて撮影しています。
アートディレクションは平林奈緒美さんで、アーカイブとして整頓された機能性とかわいげが共存した、
見たことのないレイアウトになっています。
■Kengo Kuma: Topography (2807/KUM)
topography=地形。
地形から都市をデザインする世界的建築家・隈研吾さんの作品集です。
斜面にワクワクするという隈研吾さんは、地形に強い感心があります。
「地形の凄さというのは、人間が規定したかたちを遥かに逸脱した複雑さを持っており、それをつくりたい。
自然と建築は対立するものだったけど、建築はもっと自然、あるいは地形に近づくことができるのではないか、
地形そのものが建築になったようなものがつくりたい」、との考えのもと
地形と対話しながら設計を手掛けた国内外の様々な建物が収録されています。
これらの書籍はライブラリー入口右手の窓側付近に展示しておりますので、ぜひご覧ください。
ただいま1階展示室は、次回展覧会準備のため休館中です。
4月16日(土)より、神戸ファッション美術館 開館25周年記念「華麗なる宝塚歌劇衣装の世界」を開催します。
みなさまのご来館をお待ちしております!