2022.6.3 ライブラリー
【ライブラリー情報】6月の新着図書のお知らせです!
みなさま、こんにちは!
当館3階ライブラリーに、6月の新着図書が15冊入りました!
ご来館の折にはお手に取ってご覧くださいね。
今月もライブラリースタッフが新着図書の中から10冊ピックアップしてご紹介します!※( )内は資料請求記号
詳細は右記リンクよりご覧いただけます。6月新着図書リスト
■移住を生活する(3429/IJU)
この本はちいさな発砲スチロールの家を背負って歩くアーティスト、村上慧の活動記録を記したものです。
プロジェクトの記録、移住生活の日記やドローイングで構成されています。
東日本大震災をきっかけに、便利な生活の脆さや、そこでアート作品を制作することにある種の「嘘」を感じた著者は、
自らの「住み方」を考えるためのプロジェクトとして発砲スチロールハウスでの暮らしを始めます。
「歩いているときは、珍しいと面白がられるのに、設置したとたんに不審と思われる」ことや、
警察の職務質問のやりとり、移住生活で出会った(家を設置させてくれた)人へのインタビューなど、
リアルな日記がとても面白く、ついつい読み込んでしまいます。
■アート&デザイン表現史(3402/SEI)
1800年代から2000年代のアート&デザインについての表現史です。
すべておおまかな時代のくくりのなかで、アート作品やデザイン作品が「フラット」「集めて並べる」「びっしりぎっしり」など、
独自の切り口で紹介されています。
現代アートやデザインがよくわからないという人にも、本をめくるだけで時代の雰囲気を感覚的に理解することができます。
そして、マルセル・デュシャンやアンディ・ウォーホルは「いったい何をして、何がすごいのか」
そんなことを人に語ってみたくなりそうです。
紹介されている時代のなかで特に注目すべきは1932年から1959年で、この時代に第二次世界大戦をはさんで価値観が変わるとされています。
このなかの表現を見ていると、現在にも通じるものを感じ、「めまい」を覚えます。
■世界をゆるがしたアート:クールベからバンクシーまで、タブーを打ち破った挑戦者たち(3499/SEK)
アート作品の評価を決めるのは誰でしょうか?
作品の前に立つと、ショッキングだったり、時には嫌悪感を引き起こしたり、混乱を招くようなアート作品。
誰でもすぐ理解できる写実的なアートはいつのまにかどこかに行ってしまい、いつ、どのようにアートはこんなに変わってしまったのでしょう。
アート界に衝撃を与えた50の作品を取り上げ、制作の歴史的背景やそのアートの持つ意味、時代に与えた影響について探求します。
美術史を専門とし100冊を超えるアートブックを執筆してきた著者が、難しいテーマも分かりやすい文章で解説しています。
■建築家人名事典:西洋歴史建築篇:新版 (2801/KEN)
没年が1899年以前の西洋の歴史建築家700人余りの人名事典です。
建築研究家である著者が、50年以上にわたる滞欧において、建築史で学んだ巨匠たちの作品を間近で見て撮影してきた
データの蓄積が制作のきっかけであることもあり、写真も豊富です。
英語圏の情報に偏重されているわが国において、建築の現在を語るとき、辺境からの視点から世界を見直すことを目指します。
永井荷風著『ふらんす物語』(1961)に登場するパリ・マドレーヌ寺院の一節が差し挟まれるなど、
建築家以外の著書で本書に登場する建築物の記述も時折引用されており、西欧の建築・美術・文化への興味を広げてくれます。
■かわいい!少女マンガ ファッションブック(0103/APA)
昭和30~40年代の少女マンガ雑誌や作品には多くの「ファッション画」が掲載されおり、ファッション誌の一面も持ち合わせていました。
掲載イラストの服をプレゼントする企画もあり、少女の憧れだったようです。
当時を経験された世代には懐かしく、知らない世代には新鮮に映るのではないでしょうか。
本書に登場する牧美也子、わたなべまさこ、北島洋子、谷ゆき子は当時の人気マンガ家です。
洋服を作ることが一般的だった時代背景もあり、登場するマンガ家たちのファッションへのこだわりも感じられ、それぞれの個性が垣間見られます。
働く女性が珍しかった時代を駆け抜けていった、この4人のお姉さま方が品良く格好良い!
ファッションの歴史本としても、当時の働く女性の記録としても興味深い一冊です。
■エドワード・ホッパー作品集 (3429/HOP)
エドワード・ホッパー(1882-1967)の作品と言っても、日本ですぐに思い浮かべられる人は少ないかもしれません。
しかしながら小説の表紙になっていたり、映画のワンシーンに取り入れられたりしていて(サイコやバットマンなど)、
知らないうちに作品を目にした人も多いと思います。
一枚の作品にドラマ性を感じられるものが多いのがその理由でしょうか。
「アメリカの巨匠」と称されたホッパーですが、フランス絵画への憧れがあったそうです。
作品の印象は熱を感じない、月のような硬質な色彩が特徴的で、アメリカの人々の生活の一部を切り取ったり、田舎の風景を残しています。
とても静謐な印象ですが、何かありそう…と感じさせる不穏な雰囲気が醸し出されています。
それぞれの作品に自分なりのストーリーを考えてみるのも面白いかもしれません。
■図鑑デザイン全史 (3602/ZUK)
デザインとは「美しさ-こういうの好き」や「使いやすさーこういうの心地良い」に注目して作ったり工夫することです。
最初は個人が自分の生活を豊かにするために始まったデザインですが、時代と共に対象とする物も目的も変わっていきました。
デザイン活動は生活に密接な伝統的なものづくりから始まり(例えばいす)、その後は現代のコンピューターや
新しいテクノロジー(例えばi phone)にまで及ぶようになりました。
そのデザインの変遷が時代ごとに説明されています。
デザイン云々というより、オールカラーで写真満載のこの本を一度手に取ってみてはいかがですか。
情報量が多いですが分かりやすく分類されているため、デザインに興味がある人はもちろん
家庭に一冊あっても良いくらい、見ているだけで楽しめる内容になっています。
私たちの家庭にあるアイテムが本書の中にいくつも見つけられます。
一つのアイテム(例えば掃除機、ギターなど)の進化の様子を辿ってみるのも楽しいでしょう。
■北欧ファブリック図鑑(2407/HOK)
副題の「美しいパターンが身近にある北欧の豊かな暮らし」を、気軽に見て楽しめるコンパクトな図鑑です。
大胆なデザインでおなじみのマリメッコほか、アルテック、フィンレイソン、アルメダールス、
アルビットソンズテキスタイル、クリッパン、ボラス コットン、ユンバリ、ラプアン カンクリ、カウニステなど、
北欧のユニークなファブリックデザインが暮らしの中に溶け込む豊富な写真が満載です。
巻末にはShop Guideも掲載されています。
■和更紗・正絵集(0204/WAS)
更紗の発祥はインドと伝えられていますが、伝播した国や地域で愛される中で、趣の異なる更紗が生まれ派生していきました。
16世紀から17世紀にポルトガル船やオランダ船によって日本に持ち込まれた更紗は色鮮やかで、
印象的な布であったため、当時の日本人には衝撃を与えたことでしょう。
当初は上流階級嗜好品だった更紗も、幕末にかけて日本独自の素朴かつ美しい模様を織り交ぜて
新たな「和更紗」が登場し広く普及していきます。
「正絵」とは出来上がりと同じ寸法で描かれた下絵図です。
「和更紗」が明治から大正期の正絵帳から820点が蒐録されており、生き生きとした図柄が鮮明に感じられる一冊です。
新着本「和・更紗紋様図鑑」(0204/WAS)では、江戸末期から明治中期にかけての伝統的な「渡り更紗」と伝承の「和更紗」を見比べる楽しみも。
ライブラリー所蔵の「フランスの更紗手帖」(0203/FUR)も併せて広がる「更紗」の魅力をご堪能ください。
■能アラカルト(3208/NOU)
これは「きもの」の染織作家である著者が、能楽師との出会いから「平成の能衣装」に携わることで描かれた本です。
現代においての「ものを作る目線」で能の世界が紹介されており、構えることなく「能装束」「囃子」「能舞台」「扇」「能面」などを
様々な角度から眺めることができます。
能衣装や扇のあでやかさを楽しみ、能舞台のつくりや能面の様子を追っていくうちに、能の世界をすっかり見渡してしまう、
軽やかな現代の能の入門書といえるかもしれません。
面白く、美しく、能が身近に感じられる一冊です。
これらの書籍はライブラリー入口右手の窓側付近に展示しております。
どうぞお気軽にお入りください!
ただいま1階展示室では、6月12日(日)まで特別展「華麗なる宝塚歌劇衣装の世界」を開催中です。
みなさまのご来館をお待ちしております!