2022.7.8 ライブラリー
【ライブラリー情報】7月の新着図書のお知らせです!
みなさま、こんにちは!
当館3階ライブラリーに、7月の新着図書が15冊入りました!
今月もライブラリースタッフが新着図書の中から8冊ピックアップしてご紹介します!※( )内は資料請求記号
詳細は右記リンクよりご覧いただけます。7月新着図書リスト
■猪熊弦一郎のおもちゃ箱: やさしい線 (3429/INO)
生涯現役で活躍した画家・猪熊弦一郎のパリ、東京、ニューヨークに暮らした日々、イサム・ノグチやイームズ夫妻、
マティスとの交流、画業はもちろん、大切にしていたオブジェと共に、「いのくまさん」と呼ばれ親しまれてきた
温かい人柄が伝わる物語作品集です。
特別再収録されている、猪熊さんが集めた数々の「宝物」を愛情あふれる文章と写真で紹介している
84年刊の名著『画家のおもちゃ箱』(絶版)は必見です。
■ルイ・ヴィトン :果敢なるひと(0402/LOU)
ルイ・ヴィトンの創業者ルイの生誕200周年を記念して発売された伝記小説。
ルイが一銭も持たずに2年をかけてパリへ向かう始まりは、美しいブランドのイメージとは結び付かず、困惑しそうになります。
しかし、読み進めるうちにその始まりがあったからこそ、「旅の神髄」という精神や堅固なクラフツマンシップが
育ったのだと納得がいきます。
19世紀半ばの第二帝政期のフランスの生き生きとした描写がルイの生涯をより鮮明に感じさせ、
読み終わると、ルイ・ヴィトンのデザインをじっくり眺めたくなります。
現在もトラベルゲージ、バッグ、アクセサリーなどクリエイティブでありながら、
エレガントで実用的な製品を提案し続けているルイ・ヴィトン。その精神が理解できた気持ちになる一冊です。
■世界の服飾文様図鑑(3607/SEK)
世界各国の文様が350点掲載されており、美しい文様を眺め、それぞれの国名を確認すると、
なるほどとその国らしさや雰囲気に思い当たります。
そして文様に込められた意味を知ると、国々の文化にねざした祈りや、子の成長を願う気持ちなどが身近に感じられます。
むかでやサソリの文様で魔除けを、鶴亀で長寿を願い、ボタニカルモチーフでは華やかさだけではなく、
実に富への憧れがこめられているなど、意味を知る面白さは尽きません。
美しく装うためだけではなく、補強や保温の役目も果たすなど、あでやかな文様の中に人々の生活が見えてくる図鑑。
グローバル化がすすむ今だからこそ、時間をかけ、願いや希望を込めて、
それぞれの場所で独自に作り出された世界の文様を学ぶ意味があるのかもしれません。
■究極のロゴデザイン(3615/KYU)
一瞬で企業やブランドがわかる存在感の高いロゴ。
本書では、ロゴの重要性を語る佐藤可士和のスペシャルインタビューを冒頭に、日本を代表するクリエイティブディレクター、
アートディレクター26名のロゴデザイン1000点が収録されています。
また、各ロゴデザインを形づくり、そのイメージに大きな影響を与えるフォントについても可能な限り掲載されていますので、
フォントに興味のある方にもおすすめです。
■ART SINCE 1990 図鑑1900年以後の芸術(3429/ART)
1900年以後の芸術、つまり20-21世紀芸術の図鑑で、この本が特徴的なのは、ART史における「事件」を時系列に掲載していること。
例えば1900年、「アンリ・マティスがパリにあるオーギュスト・ロダンのアトリエを訪れるが、
この先輩芸術家の彫刻様式を取り入れることは拒む」や、
1937年、「パブロ・ピカソがパリ万国博覧会スペイン共和国パヴィリオンにて『ゲルニカ』を公開する」など。
アートの流れを時系列で詳しく説明するという、ありそうでなかったアイデアにより、
1900年代のアートを大きな流れに沿って理解することができます。
「本当に1900年代って存在したの?」というZ世代の若者たちにも見てほしい一冊です。
■RUNWAY BIRD (0406/RAN)
ファッションモデル、イリナ・ラザレーヌのスタイルブック。
イリナを知らなくても、彼女の個性的でロックな雰囲気は人を惹きつける魅力があります。
彼女のお洒落な私服は有名で、ショー以外でも沢山の写真を撮られていたのだとか。
交友関係が広く、私生活も注目されており、この本の中でも、ケイト・モス、ショーン・レノン、オノ・ヨーコ、
エイミー・ワインハウスらとの、多数のオフショットが公開されています。
写真のコラージュもかっこよく、ロックテイストのファッションデザインの参考にも。
■邂逅する写真たち モンゴルの100年前と今(3006/KAI)
モンゴル人力士の活躍や日本人と似た外見のため、モンゴルという国に親近感を抱く人も多いのでは。
この本のタイトルにある”邂逅(かいこう)”とは巡り合うという意味があります。
図らずも同じ国で100年の月日の後に撮られた写真たち、そしてそこには想像もつかなかった光景が広がっています。
現代のモンゴルに遊牧民はおらず、道は道路となり車が渋滞し、人々は都市部でブランド品を購入しています。
どの国にも当てはまることだと思いますが、モンゴルに関してそろそろ私たちは
そのイメージを更新する時期にきているのかもしれないと痛感しました。
飛行機で5時間の距離だそうですが、なかなかイメージのアップデートが追い付いていないようです。
■生誕120年 別車博資展 ~ゆかりの人々とともに~(3433/BES)
別車博資(べっしゃひろすけ)は1900年、神戸生まれの画家です。
水彩を得意として戦前は神戸の風景を、後年は光の表現に創意をこらし、県下にとどまらず風景画を残しました。
本書は別車博資と同時代を生きた画家たち、また別車の影響を受けた関西の画家たちの展覧会の図録です。
別車博資という人は機械科出身で、機械や絵画を教える教員をしながら画家として活動したという一面があり、
その二面性が彼の画風、生き方に大きな影響を与えたといえます。
忙しい中で制作をするには水彩の方が時間を取らないこと、身近な神戸の街並みを描く画家としての評価が高いということで、
地元の支援者たちに恵まれたことが挙げられます。
彼の人柄の良さが随所に感じられ、失礼ながらご近所の優しそうなご老人というイメージを持ってしまいました。
現在の神戸の風景と比べてみるのも興味深いと思います。
これらの書籍はライブラリー入口右手の窓側付近に展示しております。
お気軽にお手に取ってご覧ください。
みなさまのご来館をお待ちしております!