2022.8.3 ライブラリー
【ライブラリー情報】8月の新着図書のお知らせです!
みなさま、こんにちは!
当館3階ライブラリーに、8月の新着図書が21冊入りました!
ライブラリースタッフが新着図書の中から9冊ピックアップしてご紹介します!※( )内は資料請求記号
詳細は右記リンクよりご覧いただけます。8月新着図書リスト
■GUO PEI (0403/EI)
GUO PEI(グオ・ペイ)は、1967年生まれの中国人デザイナーで、パリと北京でオートクチュールのコレクションを発表しています。
本書は今年出版された彼女の作品集です。
2015年、シンガーのリアーナがMETガラで彼女の黄色いガウンを身に付けたことで一躍有名に。
自身のルーツとオリジナリティを作品に融合させ、それを商機に結び付けていく姿は勢いのある中国の姿と重なり力強いです。
作品そのものは繊細な刺繡が素晴らしく、中国の職人のクオリティの高さがうかがえます。
■SILVER.SKATE.SEVENTIES.(3999/SIL)
この写真集には、1970年代にカリフォルニアの町の至る所で見受けられた、スケボーに興じる少年少女の姿が収められています。
長髪金髪センターパート分け、ハイソックス、乗り方自由、上半身裸(現代と違って筋肉のつき方もナチュラル)…と、
何とも気負わない雰囲気を醸し出していますが、モノクロで様々なアングルから撮られた彼らの真摯な眼差しが印象的。
写真からはスピード感というより、一瞬を切り抜いた静寂さを感じます。
景気の停滞でアメリカにとって苦しい時代ですが、彼らはただただスケボーが好きだから情熱を傾けています。
このタイミングに“自由“で“純真”な彼らが、何かを”発見”する様子をカメラに収めるため撮影し続けたと写真家は語っています。
写真に透けて見える時代の空気感も感じながら眺めてほしい一冊です。
■世界服飾大図鑑 (0302/FAS)
「古代エジプトから現代まで、5000年に及ぶ服飾の歴史を網羅したファッション・ヴィジュアル大図鑑」です。
各時代のファッションの特徴や変容の歴史を、詳細な解説と共に2500点以上の貴重な図版と写真で展望でき、
巻末のイラスト入りファッション用語解説(840項目)や索引(3500項目以上)も充実しているので、コンパクトな事典としても活用できます。
■At home with designers and tastemakers (2404/HOM)
インテリアに関する本でありながら、読み終わった後、居心地の良い空間に癒されるのではなく、インパクトのある強いイメージが残ります。
著者のスザンナ・ソークは、YouTubeの「Quintessence At Home With」ビデオシリーズのホストで、
トップデザイナーやテイストメーカーの家を訪ねています。
クライアントのためではなく、自分のための独特なインテリアは創造性に溢れていて、とてもエネルギッシュに感じられます。
テキスタイルデザイナ―John Robshawのコネチカットの家で、ブルーのモロッカンシャンデリアと一緒に飾られている赤い鯉のぼりは、
とてもユニークです。
実際に生活をしていても、ここまで装飾できるのかという驚きとともに、自分の家を何かしらのこだわりを持って
整えたくなるような空間が並んでいます。
■白洲次郎・白洲正子 武相荘折々のくらし: 白洲次郎生誕120周年記念特別展 (2999/SHI)
本人の文章とともに、白洲次郎・白洲正子夫妻ゆかりの品々の写真が並ぶ、この図録のページをめくると、
凛としたこだわりと懐かしさが感じられます。
ものを見る目の厳しさが、やがて愛おしさにかわり、個人主義で、それぞれの道を究めている白洲夫妻の確かな絆が見えてくるようです。
年齢を重ねていく道のりが、とても良いものだと思わせてくれる一冊です。
■アイヌのビーズ 美と祈りの二万年(1203/AIN)
美しいアイヌの装飾品、ビーズを巡る論文集です。
北海道は、旧石器時代から現在までおよそ二万年近くビーズ文化が継続してきた「ビーズアイランド」でした。
ガラスを中心にヒスイ、貝、ヒグマの骨、メノウ、琥珀などさまざまな素材で作られてきたビーズは、主に首飾りとして用いられ、
母から娘へと継承されてきました。
首飾りは大きな青玉を含めた「タマサイ」と、「シトキ」と呼ばれる円形の金属板によって構成されています。
アイヌの人々にとってビーズは、装飾、ステイタスシンボル、文化のアイデンティティでもあったのです。
さらにこの本のなかでは、アイヌのビーズを世界のなかに位置付ける試みもされており、とても興味深いものになっています。
なんといっても掲載されたビーズの首飾りやアイヌの衣装の写真が美しく、眺めているだけでも楽しめます。
■100YEARS OF FASHION ウィメンズウェア100年史 (0302/WOM)
この100年の間にファッションがどのように生き続けてきたかを伝えてくれる本です。
1900年代のはじめには、ファッションは限られた特権的階級の人々のものでしたが、
それが時代を追うごとに働く女性たちやストリートの若者たちへと広まり、浸透していきます。
その様子が豊富なカラー写真や図版で時系列で紹介されています。
それぞれの時代のデザイナーやブランドも紹介され、20世紀のウィメンズファッションの歴史をつぶさに眺めることができます。
ファッション史の本では今まであまり取り上げられなかった、世界大戦中のファッションの情報
(配給制だったとか、パンストのかわりに足にラインを描いていたなど)についての記載も印象的です。
この100年の間、おしゃれをする、装う、そうしたことが女性たちにとっていかに大切だったかがわかる、素敵な一冊です。
■世界ファッションデザイナー名鑑 (0402/SEK)
ファッションの歴史を変えたレジェンド75名を取り上げた、デザイナー名鑑の決定版。
ファッションデザイナーたちの生い立ちやブランドの歴史、当時の広告、ブランド 転換期、製品へのこだわりやデザイン哲学などを、
選りすぐりの写真とともに、簡潔に紹介しています。
老舗ブランドの創始者から世界で活躍している現役デザイナーまで、明確なヴィジョンを持ったファッションデザイナーたちの
魅力と軌跡を一望できる本書は、ファッション好き必読です。
■Michael Borremans Mark Manders : Double silence (3429/DOU)
2020年から2021年にかけて、金沢21世紀美術館で開催された、ベルギー人アーティストのマーク・マンダースと、
オランダ人アーティストのミヒャエル・ボレマンスの2人展の図録です。
マンダースの部屋にボレマンスの作品がかかっているような単純な2人展ではなく、互いの仕事をとても尊重しているふたりが、
金沢21世紀美術館という舞台でどうすれば互いの作品が際立つか、どうすれば融合するのか構想を練り、生み出した展覧会です。
絵画と彫刻と表現方法は異なりますが、一度見たら忘れることのできない、
鮮烈な記憶を残すふたりの作品が渾然一体となった空間は、作品を通した彼ら自身の対話です。
これらの書籍はライブラリー入口右手の窓側付近に展示しておりますので、
お気軽にお手に取ってご覧ください。
みなさまのご来館をお待ちしております!