2023.3.11 関連イベント
日展神戸展 展示作品紹介 第一回(小磯記念美術館・神戸ゆかりの美術館 岡館長)
みなさま、こんにちは。
連日たくさんのお客様にご来館いただいている日展。
日展の魅力をお伝えするために、日本画、洋画、彫刻、工芸美術、書の5つの部門より展示作品を
神戸市立小磯記念美術館・神戸ゆかりの美術館の岡館長の解説でシリーズでお届けします。
第一回は日本画部門より、西田眞人氏の作品を紹介します。
『万治(まんじ)の石仏』西田眞人(日本画・日展特別会員)
若手、重鎮が等しく切磋琢磨しあい、日展で受賞を重ねた作家たちが日本の美術を牽引してきた。
西田眞人はまさにそうした作家のひとり。
出品作は岡本太郎が激賞したことで知られる長野県諏訪にある石仏を描いている。
高さ2メートルを越える巨石の上に仏頭が安置され、まるでモアイ像のように見える。
正面から見ると印を結ぶ阿弥陀仏とわかるのだが、あえて画家は真横からとらえている。
自然石が生命を宿して緑のなかで呼吸をしている。
石の表現にも背景の処理にも顔料を何層にも重ねて動かし、抽象絵画のような表現を生み出している。
そのむかし石工がノミを入れると石から血が流れた。
伝説を知る時、背景の赤が燃え立ち、本作が凄みを帯びる。
(神戸市立小磯記念美術館・神戸ゆかりの美術館 館長 岡泰正)
◆特別展「第9回日展神戸展」
2023年2月18日(土)~3月26日(日)
開館時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)
休 館 日:月曜日
入 場 料:一般 1,200円(1,000円) / 大学生・65歳以上 600円(500円) / 高校生以下 無料
※( )内は20名以上の団体割引料金